去年初めて読んで以来、たびたび読み返した本です。
これからの世界のヒントがいくつも描かれている気がします。
ある世界の科学の水準が愛の水準をはるかに上回ってしまった場合、その世界は自滅してしまうんだよ
愛とは、つよさ、振動、エネルギーでありその効果はわれわれの機械では測ることができる。もしある世界の愛の水準が低けりゃ、それだけその世界は多くの人が不幸で憎しみや暴力や分裂、戦争な人が多く、とても自滅の可能性の高い、きわめてきけんな状態にあるんだよ。
ひとつの文明が進歩するということは、それだけ愛に近づくということなんだけど、それを達成した世界は進歩していて、誰も傷つけるということがない。
力ずくとか、破壊するとか、強制するとか言ったことはみな地球人や未開人のやることであり、暴力なんだよ。人類の自由とは、われわれにとっても、他人にとっても何かもっとずっと神聖なものなんだよ。一人ひとりにみな価値があり、尊ぶべきものなんだよ。そして、暴力やむりやり強制するといたことは宇宙の基本法を破ることなんだよ。
頭ばかりで考える代わりに、感じるように知覚するように努めてみてごらん。人生深い意味は思考の向こう側にあるんだ。
もし、人生やその瞬間が美しいと感じ始めたとしたら、その人は目覚め始めているんだ。目覚めている人は人生は素晴らしい天国であることを知っていて、瞬間、瞬間を満喫することができる。
どんな人でも良い側面を持っているんだ。無邪気な子供の側面をね。一般的に言って、この地球の人でさえ悪よりも善の部分を多く持っている。皆、自分のしていることは正しいと思ってやっている。ある人は間違いをおかす。でも、大抵は過失から出たことで悪意があってやったんじゃない、確かに人は否定的な催眠状態になると笑顔も消えしまいには危険な状態に陥りかねないというのは本当だ、でも彼らの良い側面を引き出すようにしてあげれば彼らも良い返答をしてくるし、彼らの悪い側面ばかりに目がいくと、今度は君に敵意を剥き出しにしてくるんだ。
「どうしてこの世には幸福より不幸の方が多いの?」
「それは、人が悪いんじゃなくて、古いシステムを使っている組織がいけないんだ。人間は進歩してきたが、システムがそのまま変わらずにいる。悪いシステムが人を傷つけてしまいに間違いをおかすようにさせる。でもよいシステムの世界的組織は悪人を善人に変える力があるんだよ」
ぺドゥリート、またものごとを混同しているね。君のおじさんはたくさんの情報を持っている、でもそれが必ずしもインテリとは限らないんだ。賢者とはもっともかけ離れている。コンピュータは膨大な情報を所持できる。でもだからといってインテリという訳じゃないだろう。自分が落ちる穴を知らないで掘っている人間が賢者だと言えるかい?
君のおじさんは頭の中に優れたコンピューターを持っている。単にそれだけのことだよ。同じ言葉でも解釈の違いが生じている。地球ではインテリとか賢者と言われている人は単に頭が優れている人を意味している。それは我々の持っているうちのひとつの脳だ、しかし我々は脳をふたつ持っているんだよ。ひとつは頭、これは言ってみればコンピューターで地球人の知っている唯一のものでも胸にもうひとつ別の脳を持っているんだ。目には見えないけれど、ちゃんと存在しているんだ、こちらのほうが頭より重要で、あの男の胸に輝いて見えた光のことだ。本当のインテリとか賢者とかいうのは、この二つの脳の調和が取れる人のことを言う。つまり頭の脳が胸の脳に奉仕するという形であって、多くの地球のインテリのようにその反対ではないということだよ」
「じゃあ、胸の脳が頭の脳より発達している人はどうなの?」
「そういう人は、善良なおばかさんとでも行こうかな、君の言う悪いインテリにとって騙すのがとても簡単な人たちなんだよ。悪いインテリは彼らに良い事をしているように思わせておいて結果的には人々を傷つけることをしているんだ。知性の発達は情緒の発達と調和をもって進んでいくべきなんだ。こうやってのみインテリとか賢者というものは作られていくんだ。こうやってのみ胸の光は育っていくんだよ」
「もし本当に良い音楽だとすれば、それは地球だけでなく、普遍的に評価されるよう、そして地球だけじゃなく沢山の星の色々な時代のあらゆる芸術が多くの銀河系にコレクションされているんだ。芸術は愛の言葉だ、そして愛は普遍的だ。さあ、聞こう」
アミは目を閉じて一つ一つの調べを味わっているようだった。そしてちょうどジョンレノンが歌い終わった時に、僕たちは人の住んでいる別世界へと到着した。
「じゃ、思考は何の役にも立たないてこと?」
「やれやれ、地球人の典型的な結論の出し方だ!もし最高でないなら最悪、白くなけりゃ何としても黒でなくてはならない。もし完璧でないなら極悪人、神でないなら悪魔とくる。全くきょくたん論もいいところだ!!もちろん思考は役に立つよ、もし考えることを全くしなくなったとしたら植物と同じだよ。だけど思考は人間の最高の財産じゃないんだよ」
「じゃ、一体なんなの?楽しむこと?」
「楽しむためには、楽しんでいるということに気がつくことが必要だ」
「気がつくということは、考えることとは違うことなの?」
「ちがう。気がつくということは、意識であって、それは思考よりも上なんだよ」
「じゃ、意識が最高だ」
自分の質問のおかげでずいぶん話、ずいぶん話がややこしいところに出てしまったために、僕はちょっと疲れてそう結論を下した
「ちがうね」
アミはやや神秘的な笑いを浮かべて言った。
「一つ例を出してみるよ、ここに来る途中で最初にかけた音楽覚えているね?」
「うん、でも、全然好きになれなかったね、あれ」
「でも、変な音楽を聴いたということには気がついただろう、それは意識のおかげなんだよ。でも楽しくなかった」
「うん、実際、少しも楽しくなかった」
「だったら、意識だけでは楽しむには十分でないということだ」
「うん、その通りだ、じゃあ何が不足しているの?」
「二番目にかけた音楽を楽しかっただろう?」
「あの音楽は好きだね、気に入った」
「好きと言うことは一つの愛の形だ。愛がなければ楽しみもない。意識がなくても同じことだ。思考は人間の持っている可能性の中で三番目に位置する。第一位は愛が占める、われわれはすべてを愛するように心がけている。愛をもって生きる方がずっと楽しく生きられるんだよ。きみは月が好きではなかったね、でも僕は好きだ、だから君より余計に楽しんでいるしより幸せなんだよ、
「じゃ、愛が人間がもっている可能性の最高のものだ」
「その通りだよ。やっとわかったね。ぺドゥリート」
人生とは、幸福になることだし、それを充分に楽しむことだ。でも最大の幸福はひとに奉仕することによって得られるんだよ。
ただ、武器を放棄しただけで十分なんだ、そしてみんな仲良く家族のように平和に暮らす、それで十分なんだよ。それを実現するのに何も人間に完璧さなんかも要求しなくていいんだ、ただ傷つけることをしなくなるだけで十分、その方が完璧さを求めることなんかよりずっとやさしいことなんだ。
「うん、愛が、基本的な宇宙の法だってこと」
「ペドゥリート、宇宙の基本法は、信仰じゃなくて法なんだよ、科学的にも精神的にも立証されていることなんだよ、我々にとって科学と精神性(霊性)は同じことなんだ。やがて地球でも科学が愛を発見した時には同じようになるよ」
「新しい時代だって?」
「うん、みずがめ座の時代のことだよ。地球という惑星の新しい発達段階で、数千年もの間続いた野蛮な時代の次にくる新しい愛の時代のことだよ。地球よりも繊細なエネルギーに支配されるようになり、すべての人の愛の成長を助けるようになるんだ。地球の人ももうオフィルのように幸せに生きることができるようになるんだよ」
より進歩した人間ほど、子供のようになってくるんだ
進歩した大人の精神は、まるで子供とそっくりだ。だから、我々にはこういった遊びとか幻想とか創造といったものが必要なんだよ