電子水があなたを変える!

電子に関連する5冊目、今回は電子水のご紹介です。

早速ですが、

パイ化、パイウォーター、電子水
いずれも由緒あるニセ科学。これが出てきたらネタと思え。

http://www.cml-office.org/atom11archive/water/checklist.html

と、パイウォーターとともに殿堂入りの電子水。
なぜここまでオカルト扱いされてしまうのでしょうか?本著には明らかに効果のある実験結果や、いのちを救われたような体験結果が報告されているにもかかわらず、なぜここまで迫害されてしまうのでしょう?

(上図は比較しやすいように左側に電子水を並べています。)

ちっとも大げさではない「万病に効く水」

[体験にもとづく電子水の効果]

  1. 胃腸の調子が良くなり、便秘や下痢傾向が解消する。
  2. 便の悪臭がなくなり、排便がスムーズになる。
  3. 新陳代謝が良好になり、疲労が残らなくなり、総じて体全体の調子が高まる。
  4. 抵抗力(免疫力)が高まり、風邪を引きにくくなる。
  5. 肌がみずみずしく潤う。
  6. 糖尿病、肝臓病、高血圧など、一般には治りにくいとされる慢性疾患が軽快し、程度の軽いものだけでなく、ときには重い症状の患者さえ完治してしまう場合がある。
  7. 小児ゼンソク、アトピー性皮膚炎、食物性アレルギーなど、子どもを苦しめるアレルギー疾患が軽快し、これも完治する例が少なくない。
  8. 花粉症などの呼吸器系のアレルギー疾患が軽快、または完治する例がある。
  9. 女性の生理痛・生理不順が解消される。早すぎる生理停止が再開し、終わったはずの生理が戻った例もある。
  10. 妊産婦では、妊娠の経過が良好に推移し、より健康な赤ちゃんが生まれる傾向が顕著に認められる。また母乳の出も良好になる。
  11. 冷え性や貧血症などが解消に向かう。
  12. 深酒した場合にも、二日酔いや悪酔いの傾向が弱まる。大量飲酒の後にも、努めて大量の電子水を飲むなら、二日酔いを大幅に軽減することができる。
  13. しつこい水虫や細菌性の皮膚疾患が治る例もある。
  14. 更年期障害が軽減する。
  15. 精力が旺盛になる。
  16. 尿の排泄量や発汗量が増え、体内が清浄になったと実感する。

(P.150~152)

本著からは少し外れますが、電子水の生みの親とも言える楢崎皐月氏の静電三法の植物波農法、物質変性法、人体波健康法を実践されている方々の体験談を紹介されている楢崎研究所では、楢崎皐月氏の直弟子・松原喜一さんがイヤシロチ化を町をあげて行った例が掲載されています。

この地区の主要な道路、公共の建物すべては相似象の優勢線にあわせて造っており、この福野文化創造センターのドームもその基準に合わせ造ったものです

相似象の観方:地表面上の1点(半径5mの円の円周)で円周を移動しながら四方を景観する。(眼は半開きにして展望すると良い。)必ず、視界の一部に重深的に配列する相似形が客観される。「静電三法」相似象学より抜粋。

第1回 楢崎皐月氏の直弟子・松原喜一さんを訪ねてより

脱線しすぎました、で、なぜこんなにも明らかな結果が出て、多くの人々に支持されているのにオカルト扱いされるのかと言えば、こちらもタカダイオン同様なのですが、そのメカニズムが現代科学では仮説の状態だからです。そして実験内で作業仮説であったものが、まるで事実のように書かれて、その販売戦略に利用されていることで研究者の方々から指摘を受けているようなのです。

ということで、今回は電子水の売り文句としてよくうたわれているクラスター(水の分子集団)の大きさについて調べてみました。クラスターが小さいと美味しいとよく聞きますが、『電子水』とは下図のような状態をイメージしていました。まぁ、滝風イオンメディックを買うに至った動機と同様、ここでも思考停止していますね。

http://www.k-tamura.co.jp/fts/pop/11cruster.html

が、この思考停止ポイントに大きな大きな誤解があるようなのです。
どうやってクラスターの大きさを計測したのでしょうか?その計測機器として『NMR』が持ち出されるようです。

NMRの基礎知識

NMRとは、Nuclear Magnetic Resonance(核磁気共鳴)の略で、NMR装置とは、原子核を磁場の中に入れて核スピンの共鳴現象を観測することで、物質の分子構造を原子レベルで解析するための装置です。

病院の画像検査MRIと同じ原理のようですが、核スピンの共鳴現象……、よくわかりませんね。NMRの装置は以下のようです。

NMR装置の構造

続いてNMRの原理です。

核磁気共鳴(NMR)の原理

磁気モーメントを持った核(水素核1H、炭素核13Cなど)を強い磁場に置くと、地球ゴマのように歳差運動(首振り運動)を始めます。この歳差運動の回転周期は決まっていて、その周期と同じラジオ波(60MHz~1GHz)を外部から加えてやると共鳴します。その時エネルギーの吸収が起きますので、この吸収量を電気的にはかることで共鳴が起きたかどうかが分かります。

その電気的にはかった信号をNMR信号といいます。磁場強度が11.74T(テスラ)では水素核は500MHzで共鳴します。この共鳴周波数は原子核の種類によって異なり、下図のようにいろいろな周波数で共鳴します。

ちょっと難しいです……。ポイントとなりそうな歳差運動について国立天文台のHPより引用します。

歳差ってなに?
夜空に見えている恒星のうち、北極星は、時間がたっても季節が変わっても、北の空のほぼ同じ位置にずっと見えているので、北の方角を知るときの目安としてよく使われますよね。しかし、何千年後も現在の北極星がこのような目的に使えるわけではありません。

地球の地軸(自転軸)は、地球の公転面に対して垂直に立っているわけではなく、図のように約23.4度斜めに傾いています。ちょうど地軸の北側が指している方向に現在の北極星があるので、地球が自転しても、北極星だけは、ほとんど動かないように見えています。しかし、地軸が指している方向は、ずっと同じではありません。地軸は、公転面に垂直な方向に対して半径約23.4度の円を描くように移動し、約26000年の周期で一回りしています。そのため、その円周上付近にある恒星(例えば、こと座のベガ)が、将来の“北極星”となるわけです。

このような地球の運動を「歳差(さいさ)」運動と言います。

この動きは、コマを回したときに、コマの心棒が一定の傾きを保ったまま、ゆっくりとその頭を回していく動きと似ていますね。

wikipediaより

地球が歳差運動をするのは、太陽や月、惑星の引力によって、傾いている地球の地軸を引き起こそうとする力が働くためです。

つまり原子核を強い磁場に置いた場合、(スケールも理由も違えど)地球やコマのように首振り運動をしている。原子核の首振り運動には核固有の回転周期があるため、共鳴する周波数を与えることによって得られた電気信号を(フーリエ変換して)下図のように成分に分解し、成分ごとの大小に従って配列したグラフ(NMRスペクトル)が得られるということですね。

NMRスペクトルから分かること
化学シフト:原子団の化学種に関する情報
スピン―スピン結合定数:隣接原子の情報
緩和時間:動的な情報
信号強度:組成比、混合比など量に関する情報

ようやく本題です。
得られたNMRスペクトルの中で重要なのは緩和時間です。緩和時間とは、ラジオ波を照射して得られた共鳴が元の状態に戻るまでの時間をいいます。高分子の方が減衰時間が短くなるようです。

隣接する物質が大きいと(分子量が大きいと)エネルギーを与えやすく減衰しやすい。と考える

http://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~nisiyama/MRI-15-min.pdf

ただわかるのはあくまで分子構造。同一の分子集団の大小はわかりません。

水のクラスター-伝搬する誤解-

T1緩和時間を観測したとしても、分子集団の大小はわからない。分子運動に関する特徴的な時間が測定できるだけである。

その測定結果を説明するために「分子集団」という「モデル」を考えようということであって、決してT1緩和時間や17O-NMRの線幅の変化が分子集団の存在と大きさの変化の証拠になるわけではない。

緩和時間測定では「速度」に関する情報は得られても、分子の空間配置に関する情報を得ることは本来不可能であるのに「水分子のクラスター」というものを持ち込んで実験結果を説明しようとした。

水のクラスターというモデル(= 仮説)から計測結果を説明しようと試みたのですが、その仮説がまるで事実のようにカタログ・パンフレット・巷の書籍に書かれているわけですね。

引用さらに続きます。

 クラスターという考え方は、実はそれが曖昧なものであったとしても、一見わかりやすい。そして、一見わかりやすいということは、多分浄水器や食品の商品説明には重要なことなのだろう。水の状態は、直接目に見えるわけではないので、分子が集まっている絵を出されると、わかりやすいが故にその説明に飛びついて理解した気分になってしまう。しかし実際の水はそんなにわかりやすいものでははないし、水分子の状態を実際に見た人は世界中で誰一人居ない。そもそもわかってないものに対し、絵に書けるようなわかりやすい説明を要求すると、結局のところわかりやすい誤解が広がるだけだろう。クラスターの話が根強く残る背後には、未だに水の構造の決定的なモデルを出せない研究者と、簡単な説明を欲しがる研究者以外の人々がいるということなのだろう。

なるほど、ボクも代表的な簡単な説明を欲しがる研究者以外の人々でした。

このクラスターの説明は、購入する際わかるように説明せよ!説明できなければ買わないという購入側と、なんとか科学的風の説明をつけて売りたい販売側の利害が一致したゆえの結果だと気付かされました。

結論

(ボクも含め)一般的なイメージである、クラスター理論というものは仮説に過ぎず、残念ながら電子水を現代科学では解明しきれない。科学技術の発展によりそのメカニズムはいつか解明される日がくると思うけど、解明されるまで使わないのもおかしな話です。

効果のある体験談が山ほどあるのですから。

ただ総じてこういった機器はユーザー数も少なく少数生産ゆえか高価な部類に入ります。少しでも多くの人に使ってもらうことで生産数がアップし、さらなる性能改善や量産効果がコストダウンにつながり広く使われるようになれば良いと願い、体験談のひとつでも書けるように使い倒したいと思います。

こういった未常識の技術が発展することを願い、60年も前に書かれた本田技研の社是で締めくくります。

1956年に制定された本田技研の社是は「わが社は、世界的視野に立ち、顧客の要請に応えて、性能の優れた廉価な製品を生産する

『わが友 本田宗一郎』井深大

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする