電子負荷療法の理論 細胞改善療法序説

http://www.gakugeisha.jp/shoseki_denshi-riron.html

所感

本著の発刊は2011年で電子負荷療法の実際とメカニズム(2015年)の前著です。当然ながら内容は電子負荷療法の実際とメカニズムと重複する点も多いのですが、付録として高田蒔博士が昭和32年2月15日にお話しされた講話の要旨がおさめられています。

これが最高に良いです。開発者の晩年の生の声、理論だけでなく、18年に及ぶ具体的な治療例を持ち出しながら体験者へ話かけるような形式ですのでスーッと理解できます。要約なので少し短いのが難点でしたが、ネット上に本講話と同時期と思われる昭和32年4月24日付の補遺が掲載されていましたので、全文引用させていただきます。

時間の無い方は4章から読まれてもいいと思います。

8章で紹介されている実験にはすこし狂気に近いものを感じましたが、やぱり実験自体がシンプルなのです。

昼夜ぶっ通しに一〇〇〇時間も金魚に持続的負電荷浴を試みてみましたが、金魚は痩せ衰えもせず、金魚鉢の中を元気で泳ぎ廻っていました。これもまた負電荷療法の無害安全性を立証したものであります。

12章のむすびでは『人間は誰でも体の中に百人の名医をもっている』などの名言を残す医聖ヒポクラテスを父祖としながら、温故知新に留まるのではなく、

私は高田療法を「新々ヒポクラチズム」(Neo-Neo Hipocratism)に属する全く独立した新治療法であると主張したいのであります。

負電荷療法は、現代医学の常識と因習を打破して、治療及び予防医学に画期的な新生面を拓いた全く新しい治療法であります。

と昭和32年当時(今から60年前!!!)に現代医学の常識と因習を打破し、高田療法を新治療法とするそのパンク精神に感銘を受けました。

引用元 健康プロジェクト

http://kenkoproject.info/takadaion/

赤字は個人的ハイライトです)

「健康と美容と若返りの秘訣」

医学博士 高田 蒔

I まえおき

賢髪に霜をおく年配になりますと、老いゆく己が姿に心悩ます人もありましょう。疲労を感じて気力が哀え病気にでもなりますと、何時まで健康で働けるかと、心細くもなりましょう。このような老いの悩みを持つ人のために書いたのが本書であり、主として負電荷療法による《健康・美答・若返り》の効果を述べ、如何にすれば体力と気力を増進して、健康に自信をもち人生の悩みを解消して将来に希望を抱き、かくて生涯をいかに幸福ならしめるかの秘訣を公開したものであります。人類の願望不老長寿は、今や決して一場の夢ではありません。

II 人類の願望ー不老長寿

最近、栄養や環境衛生の向上と共に、有効な抗生物質や化学療法剤が次々と発見されました。その結果、以前には非常に高かった乳幼児の死亡率や、肺炎などによる老人の死亡率は急速に減少し、なお肺結核の死亡率も著しく低下して、昭和二六年まで、ずっと第一位を占めていた結核の死亡率は、昭和三〇年来、第五位に下だり、これに代わって初老以上の人に多い血管系の病気、例えば脳溢血や心臓病による死亡率がガンによる死亡率と共に、年々増加して、今や、これらの病気の死亡率は、ガン、心臓病、脳卒中の順で第一位から第三位までの最高位を占めるようになり、四五歳以上の死亡数が目立って増えてきました。一方、死亡率の全体的な減少は、幸いにして人問の平均寿命を急速に延長し、日本人の場合、男性の平均寿命は七〇歳、(現在は七六・二歳)、女性のそれは七八歳(現在八二・五歳)に延長しました。その結果『人生五十年』というという、ごく最近まで言われてきた言葉は、最早、全く通用しなくなつてしまいました。然しながら・今述べたように、ガンや老人病(特に血管系の病気)は年々増加の傾向を辿り、また高齢化杜会の出現と共に・寝たきり老人や老人性痴呆などが大きな杜会間題となり、これに対する適切有効な予防対策を講じなければならぬ必要に迫られております。さて老人病を未然に防ぎ、老人といえども精神的には青壮年者と異ならぬ若さをもつて活動することができるようになるためには、「老化の防止」すなわち「若返りの法」を発見することが切実な問題であります。それには・当然、常識的に考えられますように、まず第一に健康を増進し、精神的にも、はたまた肉体的にも身体を若返らせる方法を見出だすことであります。カザリスという学者は、『人間は血管とともに老ゆる』と喝破しましたが、これは、人問は血管壁の老化に比例して老い行くという意味であります。事実、人問の血管は四〇代になると老化現象を始めていることが、有名な病理学者アショフによって指摘されています。ですから我々は、四〇代になりましたら、老化防止の問題を責剣に考え、適切な予防手段を講じなければなりません。四〇代は、まだ「鼻垂れ小僧」の時代と、よく言われますが、老人病が増加し、老人につきものの血管系の病気が最高位を占める時代でもありますから、そろそろ用心しなければならない時期であります。さて、これまで老化を防止せんとして、いろいろ手段や方法が試みられてきました。古くはスタイナッハの若返り手術を始めとして、例えば性ホルモン(特にデポ一)の注射による若返り法、或は脳下垂体の移植による若返り法などが行なわれました。然しながら、これらの方法によりましては一時的に部分的な機能の若返りが達せられましても、肝腎の全身的若返り、つまり眞の意味における若返りは、この手段では達成し難く、血管系の老化防止などは、この手段では不可能であります。最近、綜合ビタミン剤、すなわち多種類のビタミンを混合した複合剤の内服療法も、若返り法と称して盛んに行なわれておりますが、これとて決して若返りの効果を充分に発揮することはできません。最近、ヨーロツパ諸国、特にソビエト(現ロシア)やドイツなどでは、特殊な若返り法として、ボゴモレッツ氏血清療法や、フィラトフ氏組織療法や、二ーハンス氏細胞療法などか行なわれていますが、これらの方法といえども、若返りの効果は、さほど顕著なものでなく、しかのみならず、往々にして予期しない不測の危険、即ち死亡例すら見ることがありまして、この点、反対論者から猛烈な攻撃を受けております。性ホルモンの注射もガンとの関係から足踏み状態です。またプラスマ(人の血液から血球成分を取り去った残りの部分)の静脈内注射が、これまた若返りにも効くというので、一部の人の間で、プラスマの注射が流行しておりますが、この注射を長く続けているうちには、往々にして血清肝炎といって濾過性病原体(ウィルス)による黄疸にかかり、却て健康を損ねた例も見受けられるのであります。最近、我が国では、コンドロイチン硫酸といって、動物の軟骨から、取った酸性の粘多糖類にも若返りの効果があるという理由から、コンドロイチンによる若返り法が、注目を引いておりますが、その上なる作用は、主として細胞の機能を賦活するにあるといわれています。さて、全身の若返りは、人類長年の願望でありまして、そのために古来いろいろな方法が講じられたのであります。しかし遺憾ながら、いまだに確実な若返り法は見出されなかったのであります。そこで、今もし、ここに比較的短期日内に健康を増進し、精力をつけて若返りの実を挙げ、そして美容にも著しく役立つ方法が発見されたと致しますならば、それはまさに、人類にとっての一大福音でありまして、人々は、そのために如何ばかり人生を幸福にするか、それは想像に余りあるのであります。然るに私が昭和一五年に発見創始し、一八年の歳月を費やして漸く完成した「負電荷療法」は、まさに人類多年の願望を満たすにたる《健康・美容・若返り》の方法でありまして、少なくとも私自身、並びに体験者は、そう信じているので、あります。

III いわゆる特効薬の長所と短所

およそ薬物による特効療法は、それが特効的であればあるほど、その反面に必ず希求しない不快の副作用や、時には生命の危険をすら招く恐れがあるのです。っまり、よく効く特効薬ほど、使い様次第では思わぬ不覚の危険事態を引き起こすことがあります。ですからこのような有効な特効薬は、謂わば「双刃の利刀」にも譬えられるのであります。例えば梅毒の特効薬サルヴァルサンは、注射を続けているうちに、重篤な肝臓障害(サルヴアルサン黄疸)を起こすことがしばしばあります。またズルファミン剤を濫用すると、往々にして生命に危険な白血球、殊に顆粒球の激減を来たす恐れがあるのであります。またコーチゾンという副腎皮質のホルモンは、リウマチの疼痛にしばしば劇的によく効きますが、しかし調子に乗って、なおも続けて投薬いたしますと、知らぬ間に副腎皮質は萎縮に陥り、それがためコーチゾンの投与を中止した場合、却て恐ろしい反動が起こるのであります。これらは、いわゆる「角を矯めんとして牛を殺す」の類であります。またペニシリンも、ご存知の如く—それは極めてまれなる偶発的な出来事ではありますが—恐るべきシヨツク死を起こす危険があります。ストマイもまた長く続けて注射すると、治癒困難な難聴(聴神経の麻痺)を起こすことがしばしばあります、ですから、これらの特効薬は不測の危険をおもんばかり、それを決して素人の手にゆだねてはならないのであります。

IV 理想的な若返り法とは?

さて若返り法を行なって、初期の目的を允分に遂げるためには、少なくとも長期に亘って治療を続けなければなりません。若返り目的は、一朝一夕になるものでは決してありません。もしそんなことがあったとするならば、それは神話か童話以外の何物でもありません。初期の目的を遂げるためには、半年でも一ヵ年でも、はたまたそれ以上長く続けることが必要でありますが、併しながらそのために危険を醸すようなことがあってはならぬのであります。つまり若返り法は、絶対に安全無害であることを前提条件と致します。今もしこの条件を欠くならば、若返り法として用いることは許されません。即ちこの条件を満たしてこそ、ここに始めて若返り法として用いることを許されるのであります。然るに私の負電荷療法は幾多の、治療的効果と共に、この要求と条件を満たし、未だかって不測の危険を起した例はないのであります。ですからこの意味において負電荷療法は若返り法として全く理想的方法であります。即ち負電荷療法は、幾ら長く続けましても、治療の原則をよく守りさえするならば—副作用や、肝臓または心臓障害、もしくは血液の障害等を起こす危険は全くなく、なお忌むべき習慣性も起こりません。この絶対に無害安全で、あるということは、私の過去一八年に亘る長い間の経験と観察によって実証済みであります。このためにこそ私は、負電荷療法の発表を(発見当時、邦文医学誌に三回だけ発表し、以来全く沈黙を守って)昭和三十一年三月十五日(NHK国際放送)に至る十六年間も、故意に発表を差し控えたのであります。(負電荷の負荷効果に関する実験的研究はたびたび欧文誌上に発表しました)。良心的に、かほどまで慎重に慎重を重ねて長く観察検討を加えた治療法は、恐らくかつてないことと存じます。負電荷療法は、この安全・無害・無危険の確認と特に気管支喘息根治の可能性があるなど医学上、根本的に重大な幾多の事実を証明し、改良に改良を加えて、初めて世に出したものでありまして、今や各方面から非常な好評を博しております。負電荷療法は、全然、無感覚であるために、中にはなんとなく物足りないという人もありますが、これは認識不足もはなはだしい言葉でありまして、実はこの無感覚は負電荷療法の安全無害性と関係のある特色の一つであります。即ち負電荷療法は身体に電気が絶対に流れないようにして、絶縁した全身に一定の電位をかけ、それによって生体イオンとNa、K、Caのようなカチオン(電解質イ才ン)を法則的に一定方向に移動させ、この顕著な「イオン効果」によって細胞の機能を全身的に賦活させる方法でありますが、無感覚であるのが当然であり、従ってまた無害である所以でもあります。そこで無自覚であるからこそ、ネオンテスターを用いて検電し、ランプのつくのをその目で見て、被療者が負電荷にかかっていることを知るのであります。この生体電解質の法則的な移動は、ただ独り負花荷療法の揚合にのみ起こる生体内の特異的な現象でありまして、他の全ての電気療法(平流電気療法、感応電気療法、超短波、長波療法、空気イオン療法、イオントフォレーゼ療法)等には全く見られない特色であります。なお多数の妊婦にも、′′つわり′′の時と習慣性流産の時に三~四ヵ月問負電荷療法を続けたことがありますが、障害は全くなく、生まれた赤ん坊は概して発育がよく、目方が一貫目あった新生児は二人もあり、生後の発育は何れも順調でありました。胎児の発育にすら好影響を与えることは、負電荷療法がいかに安全無害であるかの一証左であります。

V 負電荷療法上の心得

さて健康若返りを実施せんとする場合には、どんなふうに電位をかけたらよいかと申しますに、それは次の原則に従って実施しますならば、効果を十分発揮することができます。負電荷をかける「一回の時間」は、現在皆さんがやっておいでになるように、一時間~二時間とします。これを約三ヶ月毎日続けておりますと、すでに二週間足らずで「皮膚効果」が現れ始めます。即ち顔の血色と艶がよくなって参ります。また顔や手のシミや老人斑も二ヶ月位で、大体とれたり、薄くなります。ソバカスや肝斑のような色素沈着でさえ、三ヶ月もかけるとほとんど消え去ります。その間、健康は益々よくなり、体力ないし活力の増進を自覚し、休重も増加します。さて三ヵ月間毎日かけましたら、今度は適当に「休療期問」を挿みます。その期間は一般に一ヶ月としておりますが、しかし半月でも差しつかえありません。このように一定の期間休んだ後、再び一ヶ月間毎日または隔日に負電荷を掛け、次に一ヶ月か半月間また休み、このようにして「治療と休み」を交互に行ないますと、若返りの効果を益々発揮して、少なくとも三~四年は若く見られるようになります。こういう合理的な掛け方をすれば掛け過ぎの危険は全くありませんから、一年や二年、あるいはそれ以上も長く続けることができるのであります。また或る程度、若返りの効果が著明に現われましたら、その後数ヶ月か半年くらい休んでもよいのであります。私はむしろ、この方法を希望します。余り長く休みますと、またそろそろ元に戻りかけますから、再び治療を始めますと、以前と同様な効果が現われます。非常によく効いた例では、十年も若くなった、と人から言われた例もあります。以上の掛け方は気管支喘息の場合にも行なわれる方法でもあります。次に治療を行なう場合の「用量」でありますが、これは掛ける負電荷の強さのことでありまして、その強さはメーターDosimeterの度盛二五〇~三〇〇がよく、通常その中間の二八〇が好んで用いられます。この量は強からず弱からずといった一番適当の量でありまして、一般に病気の如何を問わず治療する場合の用量でもあります。ただし恐怖症や非常に神経質の人(ノィローゼ)には、最初はずっと弱くして掛けます(例えば一五〇)、この場合、説得療法は勿論、必要であります。一回の用量は、厳密に申し上げると、一時間の場合と二時問の場合とで違うわけでありまして、例えば二八○で一時間の場合には、実際の量は二八○×一=二八○でありますが、二時間の場合の実際量は二八○×二=五六〇であります。しかし電位療法の場合には、関係が薬物療法の場合とは異なりまして、時間を長くしたからとて害は全くなく、実際的には一時間よりも二時問の方がよく効くのであります。しかし三〇分では効果は少し足りないように思われます。中には無害だからといって五時問も毎日掛け続け、中風を超スピードで治してしまった人もありますが、五時間は長すぎますから、精々二時問にすることを望みます。或る人たちは健康増進の目的で五時間ずっと半年以上一ヵ年も毎日続けて掛けていましたところ、体重が少し減ったと訴えた人もありますが、とにかく原則を守りさえすれば、若返り効果は殆んど必然的に現われます。なお一回だけ七時間掛けた例もありましたが、少しも害は見られませんでした。また「掛ける時刻」は午前中でも午後でも、はたまた夜分でも、何れでも構いません。また食事中(例えばビニールのテーブル掛けを掛けるか、テーブルの脚にゴムを敷いて絶縁する)でも、執筆中でも一向差し支えありません。座って掛ける場合には、ビニールの布(付属品とかフロ敷き)を座布団の下に敷き、治療用の小さな金属板を手でも足にでも、その皮膚に当てるならば、よく掛かります。臥床して掛ける場合には布団の下に絶縁シートを敷けばよいのですが、最近のマンシヨンは床が絶縁されているので金属板を握るか、皮慮の部分に直接当てれば、それで充分であります。椅子に腰掛けて掛ける場合には、椅子の脚の下にゴム布を敷きます。またベッドは絶縁されています。

VI 健康の増進とその理由

昔から「快眠.快食.快便」とよく申しておりますが、これは適当な運動と共に、確かに健康増進のもとであります。負電荷療法を試みますと、大部分の患者さんは、まず第一に『熟睡ができるようになった』、『食欲が亢進した』、『便通がよくなった』と申されます。これは僅か一~二回掛けただけでもしばしば聞く言葉であります。しからば、どうしてこのように睡眠や食欲や便通がよくなるかと申しますと、その理由は、次のように説明されます。睡眠がよくなるのは、つまり負電荷療法に顕著な「鎮静作用」、即ち神経の亢奮を鎮める作用があるからであります。この作用の仕方はしかし、いわゆる鎮痛剤や自律神経遮断剤の作用とは全く異なります。即ち不眠の忠者に負電荷療法を行なう場合、午前中に行なっても、午後もしくは睡眠前に掛けても、効果は全く同一であります。一般の睡眠剤でありましたら、必ず睡眠前に服用しなければ効きませんが、負電荷療法には、そういう必要はないのであります。また不眠病患者に毎日負電荷療法を行なうと、即効型といって、その晩から催眠剤なしによく眠られる人と、遅効型といって、毎日掛けているうちに催眠剤なしで眠られるようになる人と、二通りの型がありますが、とにかく、何れにしても不眠症にはよく効くのであります。このように不眠症に対してもよく効きますのは、つまるところ、負電荷療法のイオン効果が、脳幹にある覚醒中枢の亢奮を鎮めると共に、大脳皮質の亢奮を鎮めるためと考えられます。事業家などは、絶えず頭脳を使い過ぎるためによく不眠を訴えますが、こういう場合にも負電荷療法はよく奏功いたします。さて睡眠を充分にとりますと、疲労も速やかに回復いたします。もっとも疲労は熟睡とは関係なしに負電荷療法でよく回復いたしますが、夜間の休養が充分に遂げられますと、それだけ健康にはプラスになるわけです。次に食欲の亢進についてでありますが、これまた一般に頗る顕著であります。中には負電荷にかかっている最中に盛んに空腹を感じて来る人もいます。また胃下垂や胃拡張で、いつもモタモタしていた胃や腸がスーッとしたという人も沢山おります。この空腹感は、運動が活発となるためでありまして、この所見はバリウムを飲ませてレントゲン透視をするとよく分かります(広藤)。次に便秘がよくなるのは、消化と腸の蠕動がよくなったためでありますが、長い間、頑固な便秘あるいは下痢に悩まされた人でも、早晩規則正しい自然便を見るようになるのが普通であります。負電荷療法は、腸の異常醗酵や腐敗によく効きます。このように胃腸の消化と運動がよくなれば、大腸内に生ずるいろいろな毒素の吸収も減りますから、腸の有害物質による肝臓障害や慢性自家中毒なども従って無くなり、それだけでも健康は増進するわけです。昔から腸で発生する有害の毒素は、寿命を短縮する原因であって、そのために身体の老化が促進され、動脈硬化を起こす原因ともなると考えられております。この見地から見ても、負電荷療法には健康若返りの効果があると考えられ、それは次に述べる負電荷療法の強肝作用とも関係するのであります。さて肝臓は、生体にとり極めて大切な臓器でありまして、実に新陳代謝の中枢器官であり、それと同時に唯一の解毒器官でもあります。即ち我々が日常摂取している各種の栄養分、例えば含水炭素、脂肪および蛋白質は、次に述べるような仕力によって、主として肝臓内で代謝を受け、また吸収された毒素や、体内で生じた有害物は、全て肝臓で解毒されます。これらの栄養分は、生体にとっての大切なエネルギー源でありますが、腸内で消化され、それによって生じたそれぞれの基本物質(アミノ酸やブドウ糖など)が、小腸から吸収されますと、そのうちのある部分は肝臓で生体固有の物質に合成され(同化作用)、また他の部分は、これまた肝臓で酸化分解し(異化作用)、かくて最後に炭酸ガス(CO2)と水(H2O)になってしまいます。この代謝の過程において段階的に莫大なエネルギーを放出しますから、このエネルギーを利用して生物は、生活現象を営むのであります。ですから肝臓は、まさに新陳代謝の一大工場であります。つまり肝臓は生体が生活現象を営むために必要な物資の貯蔵所であり、また合成や加工分解工場でもあり、なお物質変換の工場もしくは毒物処理のエ場でもあり、その他燃焼炉でもあり、エネルギー生産工場でもあります。しかし、この工場の機能が病気にかかって悪くなりますと、血液にも、いろいろ病的変化が現われます。この変化は今日では、いろいろな方法によって、容易に知ることができますが、これらの方法を用いて肝臓の機能障害を追及いたしますと、肝臓の障害が、負電荷療法によって、如何によく回復するかの状況が分かりますし、また正常の肝機能が、いくら長期に亘って負電荷療法を行なう場合でも、決して障害を受けないことも分かります。肝機能を鼓舞する負電荷縦法の作用、つまり強肝作用は、肝臓内に流れ込む血流の量が増大したためであると考えられますが、それよりもむしろ、負電荷療法の直接的なイオン効果によって、肝細胞それ自身の機能、つまり肝臓の新陳代謝に関係する酵素の作用も賦活されるためであるとも考えられます。この作用は、単に肝細胞だけでなく、全身の細胞にも共通した作用があります。肝臓機能が、長期に亘る負電荷療法によっても全く障害を受けない重要な事実は、つまるところ、負電荷療法の安全無害性を立証するものでありまして、これまた負電荷療法の長所の一つであります。循環器、殊に心臓の働きも健康と深い関係があります。ところが、この負電荷療法に素晴らしい強心作用のあることは、全く驚くばかりであります。例えば、ちょっと動いても息切れが激しくなって盛んに動悸が打ち、脈拍が常に結滞している心臓病の患者に負電荷療法を毎日試みますと、大概は一週間を出でずして息切れや動悸が止み、脈拍も正しく打つようになり、遠方から楽に通えるようになります。その他、ちょっとしたことでも息切れや動悸が激しくなる回復期の患者が、僅か六~七回、または十回の負電荷療法で、往復十数丁の道を楽に歩けるようになったという嘘のような話もあります。とにかく、負電荷療法の強心作用は全く特殊なものでありまして、ジギタリスなどの作用とはその性質が全く異なるものがあります。なお心臓の期外収縮(不整脈)も、負電荷療法で多くの場合、至極簡単に治ります。これも他の強心剤とは全く異なる点であります。このような独特な強心作用は、さてしからば何によるかと申しますと、それは一方、心臓を栄養している冠状血管を拡張して心臓の血流をよくし、栄養分を沢山に心臓へ送り込む結果、心筋の栄養がよくなること。他方、心筋酵素の働きもイオン効果によって賦活され、なお心臓の運動を支配している自律神経のバランスもよくなるためと考えられます。また心臓が強くなれば、抹消への血行も従ってよくなり、それと同時に末梢血管も拡張しますから、全身の血流は、益々よくなって血液は身体の隅々までよく廻るわけであります。末梢の毛細血管が負電荷療法によって拡張することは、毛細管顕微鏡で見ると、よくそれが分かります(名大第一外科教室)。足や腰の冷え症によく効くのも、このためであります。その外、負電荷療法には貧血に対する特異的な造血作用があります。これは赤血球だけでなく、白血球の減少に対しても全く素晴らしいものがあります。従来の造血剤は、専ら赤血球が減少した貧血に対してのみ有効でありまして、白血球の減少症に対しては殆ど無効であります。またその反対に、白血球造成剤は、赤血球の減少症、すなわち貧血に対しては無効であります。然るに負電荷療法は、赤血球と白血球とが同時に著しく減少し、他のあらゆる造血剤に対して頑強に抵抗した原爆症の再生不良性貧血に対してすら頗る有効に作用します。すなわち貧血並びに白血球減少症に対する負電荷療法は、従来からある他のあらゆる造血剤、例えばビタミンB12、葉酸、強カナグラボン、肝臓エキス、コバルト・グリーンポールや鉄剤などの作用をはるかに凌駕します。中には、僅か一週問の負電荷療法で、三〇〇〇台の白血球が七〇〇〇台(正常)となり、三〇〇万台の赤血球が四〇〇万台(殆ど正常)になった例すらあります。貧血が回復し、赤血球の数が正常になりますと、それだけ沢山の酸素が組織や細胞に運び込まれます。従って新陳代謝における重要な段階(クエン酸サイクル)の生物学的酸化は好調に行なわれ、新陳代謝は従って活発となるわけであります。他方、白血球が著しく減少すると、ばい菌の侵入に対する身体の防衛力は低下いたします。これに反して白血球が増加すれば、喰菌作用も盛んになります。このように負電荷療法の造血作用は全く特異的でありまして、これまた健康の増進に資するところ大である所以であります。新陳代謝は、植物神経といって、大脳の命令には従わない自律神経系の支配を受けています。内臓や消化管も自律神経の支配を受けておりますが、負電荷療法には、この自律神経系の機能のアンバランスを建て直す顕著な作用があります(広藤)。従って従来根治不能といわれている気管支端息が、負電荷療法を熱心に続けることによって、早晩根治するのも、実にこの自律神経系のアンバランスを建て直して機能を正常化することと非常なる関係があります。しかし喘息の場合には、この外になおアレルギー性の体質も関係しますから、負電荷療法がその抗アレルギー作用により、アレルギーの面からも喘息を根治せしめることも考えられます。兎に角、植物神経の機能が全体的によくなれば、新陳代謝がよくなり、同時に生活現象を調節するホルモン腺の働きもよくなりますから、健康は益々増進するわけであります。他方、植物神経はホルモン腺の働きを支配しております。反対に植物神経の作用は、ホルモンからも影響を受けております。またホルモンは、ビタミンと共に新陳代謝の調節に重要な役割を演じておりますから、植物神経の機能がよくなれば、当然新陳代謝はよくなり、健康はそれだけ増進するわけであります。負電荷療法が、ホルモン失調にも効果があることは、バセドウ氏病(固定性交感神経緊張症)に対して非常によく奏効することからもよく分かります。バセドウ氏病は、本態的には甲状腺ホルモンを分泌する甲状腺の機能亢進症でありまして、両限が凸出し、甲状腺が腫れ、心悸亢進を訴える病気でありますが、まだその眞の原因は不明であります。要するに、負電荷療法による新陳代謝の改善は、全身細胞の機能が全体的に賦活された結果であると考えられ、またその賦活作用は、細胞に対して直接的であると共に、体液や神経を介しても影響するものであります。一般に新陳代謝は、老人になるほど衰えるものであります。負電荷療法によって老化現象が次第に目立たなくなり、却て若返っていく現象は、要するに新陳代謝が改善されて組織が若返ったためと説明されます。なお負電荷療法を長く続けておりますと、体に抵抗力ができて、大概の人は風邪を引かなくなります。また負電荷を負荷しますと血液中の血清蛋白(ガンマー・グロブリン)が著しく増加します。ガンマ・グロブリンの中には免疫抗体が含まれておりますから、恐らく免疫抗体の増加が、感染の予防に役立つものと考えられます。百日咳は、百日咳菌の感染による小児の伝染病でありまして、抗生物質によっても、そう簡単に治らぬ場合もしばしば見受けられますが、負電荷療法では大体一週間の治療で全治します。即ちこれによっても負電荷療法に顕著な抗菌作用のあることが分ります。

VII 美容と若返りの効果

美容と若返りとは、本来不可分の関係にありまして、殊にご婦人の場合には、若返りに成功するならば、それはとりもなおさず美容となり、肌が美しくなれば、これまた若返った証拠でありますから、ここでは一括して説明することに致します。負電荷療法による美容・若返りの効果として注目すべきは、次に述べるような直接目に見えるいろいろな現象であります。

(A) 皮膚効果と、その理由

皮膚、殊に顔の血色は速やかによくなり、艶も出て瑞々しくなり、小雛も延びて容貌が生き生きとして参ります。これは若い婦人の場合ほど早く現われ、大抵は十回くらいで既に認められ、蒼白の顔色も桜色となります。それと共に荒れ肌も治って皮膚もスベスベとして参りますから、化粧品もよく肌に乗ります。中には僅か四~五回で荒れ肌が治った例もあります。この皮膚効果は、殆ど一〇〇%に現われますが、これは絶対に誇張ではありません。この点、皆さま方は既にご経験済みと存じます。その他、顔のムクミも取れ、青ぶくれも治って、見違えるほど美しくなります。乳房(バスト)も全体的に膨らんできて、六〇歳の婦人の垂れていた乳房が、若い婦人のそれのようにお椀を伏せた形となり、その他、小さい乳房が大きくなった例もあります。ニキビや吹き出物も、はたまた顔のハタケも治ります。またシミもとれ、ソバカス(雀卵斑)も目立たなくなります。殊に顔の肝斑は、二~三ケ月の治療で殆ど目立たなくなり、そして完全に治った例もあります。肝斑は、あたかも蝶の羽のような形をして、左右の目尻のあたりから両方の頬に掛け、広い範囲に黒ずんだ色素沈着(シミ)を生じ、額にまで波及する病気でありまして、ハイドロキノンや、その他の外用薬を用いても、なかなか治癒しませんから、ご婦人にとって致命的な病気であります。この病気は原因が多くの場合不明であり、メラニンという黒い色素の異常代謝によって起こるものと考えられますが、三〇代のご婦人に多く見られる病気でありまして、治療困難な病気であり、数十万円の巨費を使つても、なおかつ治らなかつて例も沢山あります。この難治の病気に対して負電荷療法は実に恩恵的な効果を発揮し、多くは三ケ月の治療で殆ど全快してしまいます。しかし睡眠不足や過労が続いたりすると、またそろそろ再発することもありますが、節制さえ守れば、それっきり治ってしまうものであります。これほど肝斑によく効く治療法は現在のところ他に全くありません。老人斑、即ち六〇歳以上の老人の顔や手その他の皮膚の部分に必ず現われる茶褐色のシミや斑紋も負電荷療法を続けますと、多くの場合、二ケ月以内に殆ど消えてしまいますが、大き斑紋は五、六ヶ月以上かかることがあります。黒褐色の後天性の色素斑(母斑)も半年くらい治療すると著しく小さくなり、色もあせて茶褐色となる場合もありますが、しかし先天性の黒い色素性母斑は、なかなか治り難いのであります。手や顔のイボ(伝染性といわれている)も知らぬ間になくなっていますし、足の魚の目も二~三ヶ月負電荷療法を掛けいるうちに肥厚した角質層は自然にもげてしまい、その後には新しい魚の目はできません。酒査皮鼻(しゅさび)といつて、よく大要に見る赤い鼻も二~三ケ月負電荷療法を行った結果、治ってしまった例もあります。凍傷(しもやけ)やヒビやアカギレはその程度にもよりますが、比較的速やかに治癒します。シモヤケは、負電荷療法で完全に予防もできます。顔面や頭部や、その他の部分の湿疹も、大抵二~三ケ月の治療で治りますが、全身にできた広範囲の湿疹は、負電荷を掛けると、その翌日、一時悪化を見ることがあります。これは反応が強すぎた結果でありますから、このような全身性の湿疹に対しては、最初は弱く掛けて治療を始めることが必要であります。乳児の胎毒(頭部湿疹)も三ヶ月以内で治癒します。皮膚のカブレ(アレルギー性皮膚炎)、殊に白髪染めによるカブレや漆カブレ、ソーダやパーマ液等によるカブレ、剃刀負けや、ベルツ水または化粧品カブレによる顔面の皮膚炎は、ビタミンB2の注射療法や二~三ヵ月間の皮膚科通いでは少しも治らないのに、これまた僅か二~三回の負電荷療法により超スピードで、全くあっけなく全快してしまいます。これは全く驚異でありまして、この効果は負電荷療法の消炎作用、抗滲出作用、抗アレルギー作用によって説明されます。火傷や湯傷にかかったときには、直ちに油を塗り、負電荷療法を試みますと、重症(火傷第三度)でない限り、僅か二~三日で治ってしまいます。この際、水泡は潰さないで、そのままにし、ただちに負電荷にかかると灼熱痛は速やかに去り、水泡は翌日になると全く消失し、二~三日で新しい表皮を生じます。そして後に色素沈着や瘢痕などを残さないで治癒しますが、これまた驚異的でありまして、この効果も消炎作用と、表皮形成作用によって説明ができます。大火傷の経験は、まだありませんが、この場合には血液濃縮という危険もありますから、その方の医療を充分に受け、同時に負電荷療法を試みるならば、恐らく好結果を挙げることと思われます。皮膚の糜爛と潰瘍も比較的速やかに治ります。切開創の肉芽の形成が不良で、栂指頭が入るほど大きな陥没のある創傷が、僅か四、五日、長くて十日間(糖尿病患者の場合)の治療で新鮮な肉芽を形成し、治った例も四~五例あります。悪液質のために長い間治らなかった皮膚の糜爛が、たった三回の負電荷療法できれいに表皮を形成し、治ってしまった例もありました。このように負電荷療法には顕著な肉芽形成作用と表皮形成作用があるのであります。打ち身にも、直ぐ負電荷療法を行ないますと、腫れは直に引き、非常に早く治ってしまいます。バザン氏硬結性紅斑は、結核性の病気(結核疹)であると考えられておりますが、この病気は好んで女子の下腿に対側性に生じ、醜い外観を呈して、脚が紫紅色に腫れ、象の足のようになり、潰瘍を生ずることもありますので、洋装婦人などには悩みのタネとなります。これも負電荷療法を試みますと、速やかに腫れが去り、僅か三回の治療で脚の腫れが引き、レインシューズのボタンが全部かかるようになり、なおも治療を続けているうちについに色素沈着を残して全治した例もあります。これも抗アレルギー作用によって、説明ができると思われます。帯状匐行疹(帯状萢疹)は多くの場合、脊髄の前根や後根を冒すウィルス性の病気でありまして、その領域に属する末梢神経、例えば肋間神経の激しい神経痛と、その神経の走行路に沿って多数の発赤と水泡を生じ、患者を苦しめる病気でありますが、治癒するには二ヶ月もかかるといわれています。然るに、この病気も負電荷療法を行なうと非常に早く治り、一週間で全治した例もあります。以上の「皮膚効果」はまことに顕著でありまして、全く驚異に値するものがあります。このように負電荷療法は、美容・美肌にも素暗らしい効果を発揮し、健康の増進と共に、若返りの効果を充分に発揮いたします。

(B)爪効果

爪に対する作用も、またまことに顕著であります。すなわち爪の色と艶は次第によくなり、中にはピンク色になる場合もありますが、爪の変化、例えば硬い爪は軟らかくなり、老人や栄養不良者の爪によく見る縦の隆起線(爪甲縦裂症)も次第に低くなり、二~三ヶ月以内に消失する場合が多いのであります。厚く匙形に肥厚して白く混濁し、かつ脆く、鷲の爪のようになった爪甲肥厚症も、半年以上負電荷に掛かっているうちに自然と新しい爪に生え代わります。爪は昔から健康状態を知るための標識とされておりますが、爪がこのように若返ることそれ自身、とりもなおさず健康が増進し、全身が若返った証拠であります。

(C)養毛効果

白髪(老人白髪)も老化理象の一つでありますが、これまた二~三ヶ月負電荷を掛けているうちに、多くの場合、白然に少しづつ毛が黒くなりかけ、半年もしくはそれ以上負電荷を掛けておりますと、全体的に目立って黒くなって参ります。この場合、まず後頭部の白髪が目立って黒くなり、次いで前頭部の白髪もかなり黒くなりますが、ビンの毛は一番遅れて黒くなります。これは恐らく毛根部の栄養がよくなる結果、毛全体の栄養もよくなったためと思われます。茶色がかった毛も、負電荷を掛けているうちに自然と艶のよい黒髪となります。或る若い婦人は、三~四年来、頑固なアレルギー性鼻炎のために、いろいろな医療を受けましたが全く無効であったので、負電荷療法を受けましたところ、一ヶ月余りで鼻炎は全快しました。この婦人は、毎日、二〇〇枚一帖のハナ紙を四つ切りにし、八〇〇枚の紙片にして絶え間なく鼻をかんでおりましたが、さしも頑固なアレルギー性鼻炎も、僅か一ヶ月で全快し、しかも年来あった耳のうしろの白毛の束(後天性白毛症)が、これまた一ヶ月以内に全く黒い毛に変わってしまいました。禿げ頭には、余り効果は見られません。しかしそれでも、ツルツル禿た頭(老人性脱毛症)に、産毛の生えた例もありますし、また植物神経性の病気のために、頭頂部と左の後頭部の毛が広範囲に抜け落ちて、ツルツルの「丸禿げ」となった若い婦人の円形脱毛症が、負電荷を掛けたその日から脱毛は止み、それから約一ヶ月ほどして禿髪部の皮膚一面に無数の黒い点が、ハリの先きで入墨でもしたかのように密生し、それが黒い毛の新生であることが分かった例もありました。しかし毛根の全くないマルハゲは無効であろうと思われます。なお普通に毛のある人が、毛髪が殖えて密生した例もあります。フケは皮脂腺の分泌が多過ぎるためと、反対に足りないために出るものでありますが、フケ性の人も負電荷を掛けますと、間もなくフケは出なくなります。

(D)体重への効果

痩せた人と肥った人痩せた人は、多少にかかわらず肥ります。中には僅か十回続けて行なっただけで、一貫目肥った婦人が二、三例あります。肥り過ぎた人は、却て体が引き締まるようです。

(E)声への効果

音声声楽家や歌手や長唄をやる人は、負電荷療法によって声がよく出るので、好んで負電荷に掛かる人もあります。

(F)眼効果

a白内障

白内障は目のレンズ(水晶体)が進行性に白く混濁する病気でありまして、これは一種の老人性変化と見做されますが、この病気も負電荷療法を続けると、進行が停止するようであります。

b目の輝き

負電荷療法を始めて十回以上も経つと、ご婦人の目は非常に澄んできます。私たちはこれによって効果が発現してきているのを知ります。神経的、体液的に改善されるためであると思っています。

VIII 一元万能的な負電荷効果

以上列記した沢山の美容・若返りの効果は、謂わば誰の目にもわかる体表面に現われた負電荷療法の効果でありますが、しかしそれと同時に健康も著しく増進することから見ますと、単に体表面だけの現象ではなく、実に身体の内部、すなわち臓器や組織の機能も同時によくなった総合的な結果であると考えなければなりません。このように健康と美容と若返りの効果を同時によく発揮し、様々な病気を治療せしめる万能的な治療法は現在のところ、負電荷療法以外には全くありません。このような、まるで夢のようなことをお話しても、実際に治療を受けたことのない人々や、経験の全くない医師の方々には、負電荷療法の真価は恐らく理解し難いことと思われますが、皆さま方は、既にご経験になっておられるのでありますから、ご理解頂けることと存じます。
金魚の実験負電荷療法について面白い実験が行なわれたことがあります。それは負電荷の使用者が試みた簡単な実験でありまして、死に頻して浮き上がった金魚を、金ダライに移し、負電荷を掛けてやったところ、十分間くらいで口をパクつかせ、二〇分から一時問余りで元気になり、そのまま蘇生したのであります。「起死回生」とは、まさにこのことであります。これは負電荷療法が如何に顕著に活力を賦与するかの一つの証拠であります。これに反して超短波を掛けますと、元気のよい金魚は、間もなく金魚鉢の中で、熱死してしまうのであります。この場合、水の温度は少しも昇ぼりません。「負電荷」と「電波」とでは、これほど極端な相違を示します。なお昼夜ぶっ通しに一〇〇〇時間も金魚に持続的負電荷浴を試みてみましたが、金魚は痩せ衰えもせず、金魚鉢の中を元気で泳ぎ廻っていました。これもまた負電荷療法の無害安全性を立証したものであります。

IX 美容効果発見の動機

これは、些か余談になりますが、私が負電荷療法による美容効果私が発見したそもそもの動機は、—それは終戦直後のことでありますが—喘息状態の少女(吉本、一六歳)を治療した時のことです。この少女は、顔はものすごく青膨れして、カボチャ顔した醜い状態でありました。この患者を負電荷で約三ヶ月ばかり治療しているうちに、喘息状態はすっかり治り、楽に通って来るようになったところ、一ヶ月余りで顔の青膨れが治り、血色と艶がよくなると共に、見るからに色白の美しい瓜ざね顔の美人になったのには全く驚かされました。それ以来、私は負電荷療法と美容との関係に興味を持ち、特に注意して観察しましたところ、果たして負電荷療法に美容効果のあることを確認したのであります。これが、そもそも美容効果発見の動機でありました。

X 美容・若返りと年齢との関係

美容効果は若い婦人ほど顕著であります。しかしこの効果は、老齢の婦人にも見られます。例えば八二歳の老婦人は、毎日楽しみに一ヵ年近く負電荷を掛けているうちに、自髪が段々黒くなり、歩行も活発となって、杖の必要もなく、ご隠居さんらしくなくなった、という笑い話もあります。初老以上の人が長く負電荷療法を続けますと、男女とも殆ど一〇〇%に若返りの効果が認められます。この場合、多くは三~四年、最も顕著な例では十年も若返ったと人からいわれた例もあります。

XI 若返りと寿命

負電荷療法が、寿命をどれだけ伸ばしうるかは末だ未知数であります。しかし健康を増進する傍ら、数々の病気を治し、病弱の体質をも建て直して健康状態に致しますから、寿命は、この治療法によって、恐らく延びることも可能であろうと思われます。ただしこの場合、節制を守ることは大いに必要であります。

XII むすび

以上、申し上げた負電荷療法による美容及び若返り法は、根本的には健康を増進する方法でありまして、美容と若返りは、健康増進に伴なう付随現象であります。さればこの方法は、「健康美容法」、もしくは「健康若返り法」と呼ぶのが適切であります。即ち健康を増進する傍ら、もし病気があれば、それを治し、病苦があれば、またそれを癒し、皮膚に汚斑があれば、それを去り、皮膚病があれば、またそれを治して、いやが上にも自然の健康美を発揮せしめる方法であります。また美容・若返りの奏効率が、程度の差はあれ、殆ど一〇〇%であることも事実であります。しかも長期にわたり負電荷療法を続けても、全く無害安全・無危険であることは治療効果の優秀と相侯って負電荷療法の、断然優れた長所であります。このように負電荷効果による一元的な方法で、従来の治療に抵抗した非常に多くの病気を治癒せしめ、それと共に健康を増進して美容若返りの効果を殆ど必発的に発揮する万能的な治療法は、欧米諸国においてさえ、いまだかってないのであります。このような現代医学の常識では、到底信じられない全く不思議とも思われる治療法は、現代治療学の外に立つ所謂Outsader method(外辺医療=健康づくり)でありまして、それは劣弱化した体質を建て直す「体質療法」でもありますから、アシュナーのいうところの「新ヒポクラテス」の範疇に属すべきものでありましょうが、併しながら負電荷療法は、これらの方法をも更に断然凌駕する点に鑑みまして、私は高田療法を「新々ヒポクラチズム」(Neo – Neo Hipocratism)に属する全く独立した新治療法であると主張したいのであります。ヒポクラテスは今から、二〇〇〇年前に古代ギリシャの生んだ名医でありまして、近代医学は、その亜流を汲み、今でもヒポクラテスは治療医学の父祖として敬仰されている医聖であります。要するに負電荷療法は、現代医学の常識と因習を打破して、治療及び予防医学に画期的な新生面を拓いた全く新しい治療法であります。(昭和32年4月24日)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする