ボクが滝風イオンメディックを手放した理由

のっけからネガティブ発言ですが、滝風イオンメディックを約1年半使用してみての所感と手放すに至った理由を記します。

メリットは、
・ 家の中のホコリが明らかに減りました。特にルーター傍は静電気が発生するからか、大量のほこりが発生していましたが発生量が減少しました。
・ ゴキブリが壊滅しました。ここ一年一度も遭遇していません。
・ メンテナンスが楽。ほぼ掃除せずに運転し続けられます。

デメリットは、オゾン臭がひどいことです。病院のようなにおいにどうしても慣れることができませんでした。

よくわからなかったのは体調への影響です。滝風イオンメディック単体での効果・効能は結局よくわからずじまいでした。

と、投資に見合った製品ではないような気がしていましたが、マイナスイオン発生数が巷のイオン発生器とは桁違いのイオン密度(2400万個/CC)だったため、きっと効果があるものだと思って継続使用していました。

ところが、わかっているようで全然わかっていないマイナスイオンについて、最近深堀りしていたところ、驚くべき事実が判明しました。こちらの技術情報§15によると、2003年頃マイナスイオンブームがあったようで、当時いくつものマイナスイオン発生アイテムがマスメディア等で紹介されていたようです。(滝風イオンメディックの初期型も2003年製ですね)そんな中、本当にマイナスイオンを発生させているもの選別するため日本工業規格の標準である JIS 規定が行われたようです。2006年 JIS 規格 JIS-B-9929(規格名称:空気中のイオン密度測定方法)が経産省にて制定されました。

規格を制定し、同一の基準で計測することではじめて純粋な比較が可能になることはよくわかります。基準は一つだけでなくてはなりません。

ここで滝風イオンメディックのマイナスイオン発生数に戻ります。計測方法について、メーカーのアップドラフトさんに問い合わせたところ、計測時は全12個の電極の内11個の電極を絶縁し、通電している唯一の送風口より5センチ~10センチの位置で測定。その結果が200万個/ccだったとのこと。詳細な計測機器・計測方法等は非開示とのことでしたが、おそらく JIS 規格に合致しているものだと推測されます。ところがカタログ記載値は2400万個/CCです。計測値200万個/CCの12倍です。アップドラフトの方によれば、ひとつの電極から1CCあたり200万個のマイナスイオンが計測されたため、その電極が12個あるから単純に12倍して、1CCあたり2400万個のマイナスイオンを発生させられる計算とのことです。

これには驚きました。

12倍すれば当然単位体積も12倍 = 12CCになるので、200万個/CC ×12 = 2400万個/12CC 通分したら200万個/CCのままです。当たり前です。送風口が12個あったからと言って圧力変化は起きませんから密度は変わりません。アルコール度数4%のビールを12本注いだからって、48パーセントのアルコール濃度に濃縮されないこととおんなじです。

つまりマイナスイオン 2400万個/cc とは数字のトリックです。こういった販売戦略と思われる姿勢にはとても賛同できません。

ちなみにシャープのプラズマクラスター最新機種はイオン濃度が5万個/CCと数値上はかなり下回るのですが、極めて明確なプラズマクラスターの定義と、その計測方法をサイト上に掲載しています。実際に使用しているわけではありませんので効果の程はわかりませんが、少なくともその明確な説明を試みる姿勢には共感します。また、自宅で併用している新林の滝は100万個/CCのマイナスイオン濃度のようです。(実測値 測定距離5センチ、風力:強)こちらも実測値のようです。

と、まぁ1CC あたり2400万マイナスイオン!という、見かけの数値に思考停止して飛びついてしまったことが悔やまれます。今回記事として取り上げたのは、他の方も同じようなトリックにひっかからないようにという思いからです。ただし、発生数値は改ざん同様と認識していますが、実際の効果・効能とは別ですので、あくまで数値のトリックについてのみの指摘にとどめます。

さて、転んでもただは起きぬロバです。
実はこの調査を行なう中で滝風イオンメディックと同等(850万個/CC)の性能で安価(29,800円)かつ、オゾン濃度も0.001ppm以下(滝風イオンメディックの1/200)に抑えられたマイナスイオン発生器に出会えました。いずれ使用後のレポートを兼ねて記事にしたいと思います。こちらも滝風イオンメディック同様、デザインが野暮ったいんですが……。

こちら

またイオン発生器とは違いますが、調査していくあたり空気中にイオンを発生させるのではなく体表から直接電子(e-)を取り込めるモンスター級の機器「タカダイオン」(電子(e-)発生数:1869億個/CC)も購入しましたので、いずれ記事にしたいと思います。

なお、今回同じ轍を踏まぬよう、いずれの機器を購入する際にも数字だけを鵜呑みにするのではなく、開発者の方や製造元の方と直接お話する機会を設けて納得した上で購入に踏み切りました。上辺だけのカタログ値からは読み取れない開発秘話や企業姿勢は、とても参考になります。何を買うかではなく、誰から買うかが大切だと痛感しました。

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