マイナスイオン健康法

オカルト・疑似科学の代表格「マイナスイオン」

いまから15年程前のマイナスイオンブームによる、怪しい機器の台頭が、その胡散くささの発端となっているようです。コチラのサイトなど見るとマイナスイオンは疑似科学と一刀両断されています。非常によく調べてあり構成もすばらしいなぁと感心したのですが、効果の無い治験・臨床データからの結論ですから、あくまで一面にしか過ぎませんね。

本著はそれらとは一線を画する電子負荷療法の創始者高田蒔博士(1892-1978)の研究を元に構成されています。高田蒔博士が亡くなって今年で40年。日本ではほぼ評価されていない偉大な人物(と共同研究者の広藤道男さんら)の研究が紹介されています。12,000件以上に渡る臨床の報告書からごく一部が引用されているのですが、改善効果のあった疾患リストが以下のようにあげられています。

●改善効果のあった疾患リスト
電位療法研究会 1987年 Vol.14 No.1より引用
1. 疲労回復
2. 催眠作用
3. 便通調整作用
4. 食欲増進作用
5. 消炎作用
6. 創傷及び潰瘍の改善作用
7. 肉芽細胞形成促進作用
8. ケロイド軟化作用
9. 血管壁透過性の調整作用
10.末梢血管拡張作用
11.止血作用
12.造血作用
13.白血球増多作用
14.血液蛋白集成の改善
15.解熱作用
16.鎮静作用
17.痔の改善作用
18.咳止め作用
19.鎮痛作用
20.抗リウマチ作用
21.中枢神経・末梢神経及び植物神経等の改善
22.強心作用
28.血圧効果
24.胃腸運動促進作用
25.制酸化作用
26.制汗作用
27.腎機能の改善
28.肝機能の改善
29.抗アレルギー作用
30.抗結核作用
31.体質改善作用
32.健康増進作用
33.皮膚効果
34.若返り効果
35.美容効果など

(P.157)

と、かなり多くの疾患に効果があったようです。

この電子負荷療法ができる機器がタカダイオン電子治療器なのですが、現在の製造元日本理工医学研究所さんによれば、

「タカダイオン」について認められている効能効果は、

◎ 肩こり

◎ 慢性便秘

◎ 不眠症

◎ 頭痛

のみです。

とのこと。

タカダイオンが厚生労働省に医療器具として認可された効果・効能はあくまで上記4つのみということなのですね。ただ、体験談でなく医師が患者の症状を改善した臨床結果からこれだけの報告が挙がっているのは驚くべきことです。

続いて、タカダイオンがもたらす健康への効果の原理は以下のように説明されています。

電位治療器によって発生する100%の特殊なマイナス電子をからだに与えると、皮膚を通って、血液中のガンマ―グロブリンに捕捉されます。捕捉されたマイナス電子はマイナスイオンとなって、血液を通じて全身の細胞に運ばれて、

・イオン効果
(血清内にマイナスイオンが増加する。そして細胞が酸素や栄養素を収集しやすくなること)
・カチオン効果
(細胞内の老廃物や炭酸ガスを放出しやすくする電解質イオンの法則的な規則正しい移動を促進するので、細胞の内・外のミネラルバランスが整えられる)


出典:理研メディカルショップ:マイナスイオン健康法

ので、細胞は賦活改善されます。

(P.35~37)

ということですが、正直さっぱりわかりませんでした……!

疑問点は

・ 特殊なマイナス電子とはなにか?通常の電子(e-)と違うのか?
・ その電子がタンパク質(高分子)に捕捉されてタンパク質がイオン化(電離化)する?
・ 血清中にマイナスイオンが増加する?
・ なぜマイナスイオンという表現なのか?
・ 陰イオンとは違うのか?
・ どのようなイオンなのか?ガンマ―グロブリンイオン?
・ 図では、Na(+),Ca(+),K(2+)だが?
・ イオン効果とは広く使われている用語なのか?
・ カチオン効果とは広く使われている用語なのか?
・ 血清内にマイナスイオンが増加すると、なぜ細胞が酸素や栄養素を収集しやすくなるのか?
・ 図の高田血清絮数値反応とはどういった反応なのか?
・ 図の電位負荷の法則とはなにか?

とまぁ、僕の今の知識量でこのメカニズムを理解するには、本著だけでは不十分だと判断しました。絶対的な勉強不足です。今後、別の書籍などの情報を参考にして記事にしようと思います。

また本著で気になった点は、

本書で紹介している病気の改善例の記述は、すべて医師や研究機関で行われた臨床の報告書から抜粋して掲載しましたので、安心してお読みいただけるでしょう。なお、現在では臨床検査は行われていません。(P.61)

と残念ながら、現在臨床検査が行われていないようです。ただ、理由が記述されてませんでしたので、なぜなのか調べておこうと思います。

これだけの疾患を治癒した例があるのですから、臨床例が増えれば、臨床検査 → 機器へのフィードバックが増え、それが好循環をうみだすはずです。技術進化による小型化や、40年近く同一の装置を生産しているのであれば量産効果による低コスト化も可能だと思います。アップデートの止まった機器はあっという間におっさん化してしまいます。より時代に合った機器への変貌を遂げてほしいと思います。

などと偉そうなことを考えていたところ、最近パワーアップキットとして新しい使い方をされている。ユーザーの方を見かけました。金属導子・ゴム導子の代わりに下図の銀メッキ繊維で織られた布を使いなんとアタマに巻くのです!

0527-11.jpg

機器のアップデートは難しいかもしれませんが、ユーザー側からもっともっとアプローチできることを見せつけられました。

[高城剛]のLIFE PACKING2.1 未来を生きるためのモノと知恵

モノは作り手が考えもしない使い方をするのが、真のユーザー。そう勝手に考えて、今日も僕はモノたちをヒーヒー言わせているのです。(Life Packing 2.1 高城剛)

高城剛さんが言うように、まさ真のユーザーですね。シガーソケットから電源を摂って車で使用したり、バッテリー駆動させてみたりなど興味深すぎます。しょうもない批評家にならず実践されていることに脱帽です。僕もいろいろとトライしてみようと思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする